投資でのレバレッジの仕組みとリスクを徹底解説
FX等の元本が保証されていない投資には『レバレッジ』という仕組みがあり、少ない資金で大きな取引ができるようになっています。
国内のFX会社では最大25倍の『名目レバレッジ』で取引することが可能。
海外のFX会社は、名目レバレッジ100~888倍で取引をすることできます。
レバレッジという言葉は『てこの原理』といった意味があり、担保として預けた証拠金の何十倍にも相当する資金を動かして取引が可能です。
本来ならば100万円の商品を買う時には100万円支払わなくてはいけません。
ですがレバレッジをかけられる投資では、100万円の商品を買うのに4万円(名目レバレッジ25倍の場合)だけ取引口座に証拠金として預けておけば良いという仕組みがあります。
計算方法
- 1,000,000円÷レバレッジ25倍=40,000円
名目レバレッジ25倍で取引を開始したとしても一瞬で資金を失う可能性が高いので、100万円の商品を買うのに4万円用意すれば良いというわけにはいきません。
そこで重要になってくるのが『実質レバレッジ』です。
このページでは、『名目レバレッジ』と『実質レバレッジ』の仕組みとリスクについて解説していきます。
名目レバレッジとは
レバレッジとは、元本保証がされていない投資でかけることができる、少ない資金で大きな金額を動かすことができる証拠金倍率です。
たとえば、米ドル円が1ドル100円だと仮定すると、日本円100万円分を米ドルに交換で1万ドルになります。
つまり、レバレッジ1倍で1万ドル分の取引をするには取引口座に100万円預ける必要があります。(手数料等除く)
- レバレッジ:1倍
- 米ドル円 :1ドル100円
- 100万円で1万ドルと交換可能
レバレッジ25倍で取引できるFX会社で取引する場合は、取引口座に4万円預ける必要があります。
- レバレッジ:25倍
- 米ドル円 :1ドル100円
- 100万円で25万ドルと交換可能
日本国内のFX会社は、日本の金融庁が定めたルールや規制に基づいたサービスを展開しており、個人名義の口座の場合はレバレッジ25倍が上限。
国内FX会社は、2020年5月時点では『名目レバレッジ25倍』を上限としてサービス展開しています。
実質レバレッジとは
レバレッジを効かせたFX等での取引は、少ない資金で大きな資金を動かすことができます。
ですが、損益はレバレッジ計算される前の金額から計算されます。
たとえば米ドル円を10,000ドル分取引する場合だと、1円下がって1ドル99円になると10,000円の損失が発生し、1円上がって1ドル101円になると10,000円の利益が発生します。
- 1ドル100円の時に10,000ドル分取引する場合
- 1ドル99円になると10,000円の含み損
- 1ドル101円になると10,000円の含み益
日本国内のFX会社は、日本の金融庁が定めたルールや規制に基づいたサービスを展開しており、個人名義の口座の場合は名目レバレッジ25倍が上限。
取引口座に証拠金として4万円預けておけば1万ドル(日本円で100万円)分の取引が名目上可能ですが、レバレッジをマックスでかけた状態で取引をすると、少しでも反対方向に動いて損失がでた時点で強制的にロスカットされてしまいます。
為替変動による強制的なロスカットを避けるために、国内FX会社は25倍のレバレッジをかけることができますよ~と名目上言っていますが、実質的なレバレッジは3倍程度に留めておく必要があります。
- 取引口座50万円で米ドル円を1万ドル買う
- 取引総代金(必要証拠金や含み損等)÷口座残高
- 100万(取引総代金)÷50万円(口座残高)=2倍
取引口座残高に50万円入ってる状態で米ドル円が100円の時に買う場合の実質レバレッジは2倍になります。
この実質レバレッジが3倍になるようにキープしながら取引をするのが望ましいとされています。
名目レバレッジ25倍で取引してはいけない
名目上はレバレッジ25倍までかけることができますが、実質的にはレバレッジ3倍程度で取引するのが無難です。
最大のレバレッジ25倍で取引しようものなら、少しでも値が反対方向に動いた瞬間に強制的にロスカットされてしまいます。
取引口座に預けていた資金が全て無くなってしまい、値動きによっては不足分が発生し追加分を支払わなくてはいけなくなるかもしれません。
レバレッジがかかるのは担保として預ける証拠金のみで、値動きによる損益はレバレッジ計算前の数字が反映されます。
強制ロスカットを避けるためには、値動きによる含み損に耐えられる資金を取引口座に入れておかなくてはいけません。
証拠金以外の余剰資金も必要
前途したように、米ドル円を1万ドル分取引する場合だと、1円下がって1ドル99円になると1万円の損失が発生し、1円上がって1ドル101円になると1万円の利益が発生します。
たとえば、1ドル90円まで下がっても強制ロスカットされないようにするには、10万円の含み損に耐えられるように口座に資金を入れておかなくてはいけません。
- 名目レバレッジ25倍
- 取引口座4万円で米ドル円を1万ドル買う
- 取引総代金(必要証拠金や含み損等)÷口座残高
- 100万(取引総代金)÷4万円(口座残高)=25倍
- 含み損が少しでも発生した時点で強制ロスカット
- 最低でも100万(取引総代金)÷30万円(口座残高)=3.3倍
名目上は25倍のレバレッジをかけられますが、含み損が少しでも発生した時点で強制ロスカットになるので、実質的には3倍程度に抑えて運用するようにしましょう。
実質レバレッジは変動する
実質レバレッジの計算方法を見て感じたと思いますが、実質レバレッジは値動きによって変動します。
含み損が増えていくと実質レバレッジ倍率も増えていく(含み益が増えると実質レバレッジ倍率は減る)ので、取引口座に入金するなり取引ポジションを見切る等して、実質レバレッジをコントロールしましょう。
個人的には、取引を開始する前に値動きをシミュレーションしておき、必要分をあらかじめ取引口座に入金しておいたほうが良いと考えます。
ヤバくなってきてから資金を用意すれば良いや~と思っている人ほど、イザその時になって用意できないものなので、事前に取引口座に資金を突っ込んでおきましょう。
レバレッジの仕組みとリスクまとめ
- 国内のFX会社では最大25倍の名目レバレッジで取引することが可能
- 担保として証拠金を預けることで、何十倍にも相当する資金を動かすことが可能
- レバレッジがかかるのは担保として預ける証拠金のみで、値動きによる損益はレバレッジ計算前の数字が反映される
- レバレッジをマックスでかけた状態で取引をすると、少しでも反対方向に動いて損失がでた時点で強制的にロスカット
名目上は25倍までレバレッジをかけることができますが、安全な資産運用(レバレッジ投資に安全を求めるのはどうかと思いますが)を継続するためには、実質的なレバレッジを3倍程度にキープすることが望ましいです。
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